新しき永遠の盟約


ぴんぽ〜ん♪

「ううっ…。緊張するなあぁ…」
今日はみさき先輩とデートの日だ。
だが、今日のオレはいつもとはひと味違う。
 オレは、みさき先輩の家の前で、ポケットに手を入れ、中に入っている物をギュッと握りしめて心を落ち着けた。
 「はーい、どなたですかぁー。」
 ガチャッとドアがひらき、中からみさき先輩が現れた。
 「こんにちは。みさき先輩。迎えに来たよ。」
 「浩平君!遅いよー。私、我慢できなくてもう晩御飯食べちゃったよ。」
 「ごめんごめん、ちょっと用事があって・・・でも、オレの知ってるみさき先輩ならまだ食べられるよね。」
 みさき先輩はにっこり笑って
 「もちろんだよ、腹八分でやめておいたんだからね。」
 そう言った。
 「それでこそみさき先輩だ!じゃあ行こうか?」
 「うん。」
 みさき先輩はすでに出かける用意ができており、オレたちはそのままレストランへ食事と向かった。
 
 「・・・というわけなんだよ。ひどいよね雪ちゃん。」
 「う、うん、そうだね。」
 オレたちは食事が終わり、いつものように他愛もない世間話をしていた。
 しかし、オレの頭はポケットの中身の事でいっぱいで、話は全然頭に入っていない。
 「・・・どうしたの、浩平君?今日はなんだかちょっと変だよ?」
 心配させてしまったようだ。
 オレは意を決して、先輩に話した。
 「みさき先輩。ちょっと公園に行かないか。」
 「うん?いいよ。」

 オレたちは人気のない夜の公園にやってきた。
 桜が満開だった。
 「うわあっ!桜の匂いだ。きれいだよね。きっと。」
 「うん。・・・みさき先輩、今日は貰って欲しい物があるんだ。」
  オレは覚悟を決め、話しを切り出した。
 「なに?プレゼント?今日はなにかおめでたい日だったけ?」
  オレはさっきからポケットで握りしめていたものを取り出し、そっとみさき先輩の手に渡した。
 「?小さくて・・・四角い箱?なあに?」
 「開けてみてくれ。」
 みさき先輩は箱をなで回すとそっと蓋をあけ、中の物にふれた。
 「・・・浩平君。これ、もしかして・・・指輪?」
 「・・・うん・・・。」
 「・・・・・。」
 「・・・結婚してほしい。」
 「・・・そ、それは、けっこんなことで・・・。」
 「みさき先輩!・・・オレは本気だよ。」
 「・・・・・。」
 みさき先輩はとまどっている。
 「・・・浩平君。うれしいよ。でも・・・わたし、前に行ったよね・・・わたしを好きになるひとは・・・同じハンデを背負うんだって・・・。」
 みさき先輩は悲しそうにうつむいてる。
 「・・・みさき先輩。オレも前に言ったはずだ。        って。今でも・・・いや、永遠にそのつもりだ。」
 「浩平君・・・。本当に・・・本当にそれでいいの?後悔しない?」
 「するもんか!!」
 急に大きな声を上げたせいで、みさき先輩がビクッと身をすくめる。
 「あ、ごめん。・・・でも、オレの本当の気持ちだ。」
でも、みさき先輩はまだうつむいたままだ。
 「・・・・・浩平君。この公園覚えてる?」
 「・・・ああ。・・・オレが・・・先輩を置いて・・・消えた公園だ・・・。」
 みさき先輩が指輪をオレの手に押し戻す。
 「・・・・みさき・・・先輩。」
 オレはそう言うのが精一杯だった。
 みさき先輩は泣いていた。
 「・・・そうか。」
 「ううん!ちがうよ。あんまり嬉しくて・・・うぐっ・・幸せで・・・あの時みたいに・・・私が持ってると・・・えぐっ・・・また、消えてしまうんじゃにかと心配で・・・それで・・・もって貰っただけだよ・・・。」
 みさき先輩は泣きながら笑顔でオレを見つめた。
 「・・・みさき先輩。・・・アイスクリームと一緒にしないでくれ。」
 「私、信じるよ。浩平君の言葉・・・ぐすっ・・・あの時も、浩平君、帰ってきてくたもんね。」
 「先輩。ありがとう。じゃあ、今、指にはめてくれる?」
 「・・・うん。」
 みさき先輩はまだ泣きながら、それでも笑顔でオレに左手を差し出した。
 オレはその手そっとつかみ、薬指に指輪をはめた。
 「・・・ぐすっ・・・うれしいよ。」
 「みさき先輩。」
 オレはみさき先輩を抱きしめた。
 「・・・浩平君。」
 「キス・・・していいかな。」
 「うん。」
 「ずっと一緒だ・・・。」
 「うん!」
 「永遠に・・・。」
 「うん!!」
 そう言ってオレはみさき先輩に口づけをした。

 永遠の盟約。

 それは、新しい永遠の盟約だった。






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