健診で指摘された異常の精査とは?
1.血圧
一応,年齢によって若干違いますが上の血圧(最高血圧)は160以上,下の血圧(最低血圧)は95以上,いずれかが高ければ薬を飲まないと
いけません。ただし,一度測定して高いからといって,すぐに薬は出しません。血圧は変動しますので何度か測定する必要があります。何度測っても高ければ高血圧症です。
高血圧の原因を調べるため採血が必要です。
また,高血圧が続いていると心臓や腎臓を悪くする場合がありますので,胸部写真,心電図など心臓の検査,尿検査,採血など腎臓の検査が必要です。
2.尿検査
項目:尿蛋白,尿潜血,尿糖
尿糖の異常を指摘された時は,糖尿病の検査しますので,朝ご飯を食べずに病院に来て下さい。採血などをします。
尿蛋白,尿潜血だけであれば,食事をしてきてもいいです。これらの異常の時は,採血,尿検査などの腎臓の検査します。
3.生化学検査
1.肝機能
項目:GOT,GPT,γーGTP,LDH,ALP
採血だけであれば,食事をしてきてもいいのですが,腹部超音波検査をする場合は,朝食事をしないできてもらわないと
検査できません。小さな病院では融通がききますので,来られたらすぐ腹部超音波検査ができることもあります。
2.脂質
項目:T−Cho(総コレステロール),HDL−Cho(HDLコレステロール),TG(中性脂肪)
一度検査して異常があるからすぐ薬を飲むというわけでもありません。
前の晩は8時ごろまでに朝食を済ませて,お酒も飲まないで,次の日,朝ご飯を食べずに病院に来て下さい。
3.腎機能
項目:BUN,Cre
血液検査と尿検査をします。BUNはたまたま,上昇する場合があります。
再検査して、異常があれば精密検査になります。
4.糖代謝
項目:血糖
空腹時血糖110mg/dl以下が正常です。140mg/dlを越えれば糖尿病です。
110mg/dlから140mg/dlでは「75gGTT」という検査が必要です。朝ご飯を食べないで
病院を受診して下さい。140mg/dl以上の人は,糖尿病になりますので,定期的な検査をして
食事療法などで改善しない場合は,薬を飲む必要があります。
4.血液学検査
項目:1.赤血球,2.白血球,3.血小板
採血の時の状態などで,たまたま異常がでる時もありますので,再検査して下さい。
1.赤血球
血液学検査で一番多いの異常は,貧血です。赤血球,ヘモグロビン(Hb)が減少します。
生理のある女性であれば,生理が多い事が原因の事が多いです。出血が多いとか何か異常がある場合は
婦人科の診察が必要な場合もあります。まずは内科を受診して,検査の上相談下さい。生理のない年輩の女性,男性の場合,胃とか腸に病気があって
出血してるため,貧血になる場合があります。ですから,場合によっては,胃の検査,腸の検査が必要になります。
健診では,胃透視がありますから,胃に関しては検査して異常なければ,それでよいと思います。腸については
便潜血の検査をしてます。ただし,便潜血検査で異常がなくても,便通異常がある場合は,腸の検査をした方がよいです。
2.白血球
一時的に上昇している場合もあります。再検査して異常があれば,白血球の種類など調べ,場合によっては血液病の詳しい検査になる場合もあります。
3.血小板
血液の病気で異常がでますが,肝臓が悪くても異常がでる時もあります。
5.心電図
どのような項目で異常を言われたかにより,検査が異なります。また,症状の有無によっても
どこまで検査するか違います。一応,きちんと調べた方がいい場合を想定して,どういう
検査をすればよいか書きました。
1.ST−T異常
T波の異常,STの異常,異常Q波などという表現の異常を指摘された場合,次の検査が必要です。
心エコー,運動負荷試験,場合によっては24時間心電図。
運動負荷試験にもいくつかの方法があります。できれば,多段階運動負荷試験をして下さい。
多段階運動負荷試験には,エルゴ運動負荷試験(自転車をこぐ運動),トレドミル運動負荷試験(ベルトコンベヤーを走る運動)
があります。「マスターのダブル」(階段を上り下りする運動)と呼ばれる運動負荷試験もありますが,これは運動量が少なく
軽い狭心症では,異常なしと判定されることがあります。
2.不整脈
期外収縮,心室性期外収縮,上室性期外収縮,心房細動,房室ブロック,WPW症候群などの表現の異常を指摘された場合は次の検査が必要です。
24時間心電図,心エコー,場合によっては運動負荷試験。
3.その他
右脚ブロック:健康人でもみられる所見です。まれに心房中隔欠損症(心臓に穴があいてる病気)の場合も
ありますので,念のため心エコーの検査はした方がよろしいかと思います。
左脚ブロック:健康人では,みられません。ST−T異常に準じて検査します。
心エコー,運動負荷試験,24時間心電図で異常がある場合は,入院して心臓カテーテル検査が必要になる場合もあります。
6.胸部X線
胸部写真を撮り,精密検査の必要な「かげ」があれば,痰の検査,CTなどの断層写真,気管支鏡検査などの検査が必要です。
7.胃部X線
異常があり,要精査の判定であれば,胃内視鏡検査が必要です。小さな病院であれば,朝御飯を食べないでくると
すぐ検査できる場合もあります。しかし,一応受診して予約した方がいいです。内視鏡検査のための採血が必要な
場合もあります。
8.大腸便潜血反応
便潜血反応が陽性の場合,同じ便潜血反応の検査はしません。大腸の検査が必要です。痔がある場合でも,大腸検査が必要です。なぜなら痔からの出血と思っていて,実は大腸に病気があったという場合があるからです。
大腸透視,大腸透視+S字内視鏡検査,大腸内視鏡検査のいずれかの検査が必要です。これは,朝ご飯を食べて来ないからといっても
すぐにはできません。予定をしないとできません。