食事の小部屋

<1.ビタミン>

ビタミンは,糖質,脂質,蛋白質などの栄養の代謝が円滑に行われるように潤滑油の働きをする物質です。

1.ビタミンの種類と働き,欠乏症,過剰症

大きく分けると水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。そして,それぞれには何種類かのビタミンがあります。

<1日の適正量>
ビタミンで体内で合成されないものは,外部より摂取しなければなりません。ビタミンB1,ビタミンB2,ナイアシン,ビタミンC,ビタミンA,ビタミンD,ビタミンE は,所要量といって取るべき量は決められています。
一方ビタミンB6,ビタミンB12,パントテン酸,ビオチン,葉酸,ビタミンKは腸内細菌で合成されますので所要量は決められていません。これらについてはおおよその必要量を記します。

<働き>
水溶性ビタミンは色々な代謝の補酵素(代謝を促す潤滑油のような役目)の働きをする事が多く,脂溶性ビタミンはそれぞれ働きは異なります。

<欠乏症>
ビタミンB6,ビタミンB12,パントテン酸,ビオチン,葉酸,ビタミンKは,腸内細菌により合成されるので普通の食事をしていれば,特別な場合を除き欠乏症になる事はありません。

<過剰症>
水溶性ビタミンは過剰に摂取しても尿中に排泄されるため問題はありません。しかし、脂溶性ビタミンは体に蓄積するため 問題が起こることがあります。

それぞれの1日の適正量,働き,不足した時の欠乏症,過剰摂取した時の過剰症を一覧表にします。
いくつかの病気はクリックすると新しいウインドが開いて病気の説明がでます。
妊娠している方あるいは身内に妊婦さんがいる方は,Wernicke脳症を一度お読み下さい。思わぬ所で,助かるかもしれません。

1.水溶性ビタミン群
種類 1日適正量 働き 欠乏症 過剰症
1.ビタミンB1 男性0.8-1.0mg
女性0.7-0.8mg
エネルギー代謝,糖質代謝の補酵素 脚気,多発性神経炎,
Wernicke脳症,食欲不振,神経障害
なし
2.ビタミンB2 男性1.2-1.4mg
女性1.0-1.1mg
エネルギー,アミノ酸,脂質代謝の補酵素 成長障害,口内炎,口唇炎,口角炎,皮膚炎 なし
3.ビタミンB6 (2.0mg) アミノ酸代謝の補酵素 成長障害,舌炎,皮膚炎,神経炎,てんかん様発作,発疹,貧血 なし
4.ビタミンB12 (3μg) 抗悪性貧血因子,蛋白質,核酸合成の補酵素 悪性貧血 なし
5.ナイアシン 男性14-17mg
女性12-14mg
糖質代謝,脂質代謝の補酵素 ペラグラ皮膚炎 なし
6.パントテン酸 (10mg) 糖質代謝,脂質代謝の補酵素 成長障害,体重減少,悪心,めまい,痙攣 なし
7.ビオチン (0.2mg) 糖質代謝,脂質代謝の補酵素 欠乏症はなし なし
8.葉酸 (0.4mg) プリン,ピリミジン合成の補酵素 巨赤芽球性貧血 なし
9.ビタミンC 50mg アミノ酸代謝,蛋白質代謝の補酵素 壊血病,出血,色素沈着 なし


2.脂溶性ビタミン群
種類 適正量 働き 欠乏症 過剰症
1.ビタミンA 男性2000IU
女性1800IU
視覚作用,皮膚粘膜の正常化 夜盲症,皮膚乾燥,結膜乾燥 食欲不振,脱毛,口角亀裂,肝肥大,
柑皮症
2.ビタミンD 100IU カルシウムの吸収促進,骨形成の促進 くる病,骨軟化症 全身倦怠,嘔吐,多飲多尿,食欲不振,カルシウム沈着
3.ビタミンE 男性8mg
女性7mg
抗酸化作用,生殖の正常化,膜の安定化 不妊,赤血球の溶血 なし
4.ビタミンK (適量) 血液凝固因子の合成 血液凝固の延長,出血 新生児の溶血性貧血,嘔吐

2.ビタミンを多く含む食品

ビタミンの中には腸内細菌により合成されるものもあります。合成されないビタミンは所要量が決められており 注意して食べないと不足する可能性もあります。腸内細菌で合成されるビタミンは特別な場合を除き普通の食事 をしていれば不足する心配はいりません。
種類 食品 腸内合成 代表的食品
ビタミンB1 肉類,内臓類,魚介類,豆類,緑黄色野菜 なし 豚肉,うなぎ,とうもろこし
ビタミンB2 内臓類,魚介類,卵類,乳類,緑黄色野菜 なし レバー,かれい,さば,脱脂粉乳
ビタミンB6 肉類,内臓類,魚介類,卵類,乳類,豆類 あり
ビタミンB12 肉類,内臓類,魚介類,乳類 あり レバー
ナイアシン 肉類,内臓類,魚介類,きのこ なし レバー,鶏肉,かつお,まぐろ
パントテン酸 胚芽,肉類,魚介類,乳類,豆類 あり
ビオチン 豆類,果物,内臓類,卵類, あり
葉酸 肉類,内臓類,卵類,胚芽,乳類 あり
ビタミンC 緑黄色野菜,果物,豆類 なし ブロッコリ,パパイヤ,オレンジ
ビタミンA 内臓類,魚介類,卵類,緑黄色野菜,乳類 なし レバー,うなぎ,春菊,にんじん
ビタミンD 内臓類,魚介類 なし まぐろ,かつお,さば,ぶり
ビタミンE 植物油,豆類,緑黄色野菜 なし 穀物の胚子油
ビタミンK 植物油,緑黄色野菜,卵類,ヨーグルト あり ホウレン草,キャベツ,卵黄

3.付録(食品中のビタミンの量)

ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンC,ビタミンA,ビタミンDの食品中の量を示します。

食品中のビタミンの量
鶏レバー 豚レバー 牛レバー 豚ヒレ肉 牛ヒレ肉 鶏もも肉
ほんまぐろ かつお さば うなぎ かれい さけ
さんま うずら卵 鶏卵 ご飯(玄米) スパゲッテイ ライ麦パン
大豆 枝豆 菜の花 ブロッコリ ホウレン草 小松菜
春菊 にんじん カボチャ さつまいも パパイヤ オレンジ
イチゴ グレープフルーツ マーガリン プロセスチーズ 脱脂粉乳


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