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<高脂血症とは?>

高脂血症とは,読んで字のごとく「血液中の脂が高い病気」です。
なぜ高脂血症が問題になるかと言えば,動脈硬化を促進する大きな原因のひとつだからです。 動脈硬化とは、水道管のなかに色々なものがこびりついて狭くなるよう状態です。 それで,水の流れが悪くなり,時には詰まって水が流れなくなったりします。このような 状態が動脈のなかでおこることです。
動脈が詰まればそこの臓器は死にます。脳の動脈が詰まれば,脳梗塞。心臓の動脈が詰まれば心筋梗塞を起こします。

1.脂の種類

脂にも色々な種類があります。普通,検査されるものは 1.総コレステロール 2.中性脂肪 3.HDLコレステロール の三種類です。そして,最近 4.LDLコレステロールが直接測定できるようになりました。
1.総コレステロール(TC)
正常域 150−219mg/dl
食後でも値の変動が少ないので,食事してきても値は変わりません。動脈硬化との関係が疫学的に証明されています。しかし、 どのくらいの数値が望ましいか,まだ議論されてます。最近の考え方としては、合併症の有無等により個々の患者さんで適正値を決めるという考えです。
2.中性脂肪(TG)
正常域 50−149mg/dl
食事の影響を受けますので,早朝空腹時に採血しなければいけません。異常に高い場合は,動脈硬化とも関係しますので治療の対象になります。
3.HDLコレステロール(HDL−C)
正常域 40mg/dl以上
いわゆる,善玉コレステロールと呼ばれるもので,これが低いと動脈硬化が促進されます。
喫煙、運動不足、過度のアルコール摂取で低下します。少しのアルコール摂取では上昇します。
4.LDLコレステロール(LDL−C)
正常域 70−139mg/dl
いわゆる悪玉コレステロ−ルと言われるものです。これは特に動脈硬化と関係が深いもので総コレステロール よりこちらを重視する方向に向かってます。

2.検査

12時間から14時間絶食にした早朝空腹時に採血します。前の晩,お酒を飲んではいけません。
総コレステロールだけであれば,食後の採血でも値に違いはありません。 しかし,中性脂肪は食事の変動を受けますので,正確に測定するには,早朝空腹時が望ましいです。

3.合併症

動脈硬化をおこした血管により,色々な臓器の障害が見られます。
1.冠動脈疾患(狭心症,心筋梗塞)
「心臓の部屋」を参考にして下さい。
心臓の筋肉に血液を運ぶ冠動脈に動脈硬化がおこれば,狭心症。冠動脈だつまれば心筋梗塞を起こします。
2.脳血管障害(脳梗塞)
脳の血管,脳動脈が動脈硬化をおこしてつまれば,脳梗塞をおこします。
3.末梢動脈硬化
冠動脈や脳動脈以外の血管,特に下肢の動脈(大腿動脈など)に動脈硬化が見られる場合,長い距離を歩くと 下肢に痛みがでる場合があります。

4.治療適応

高脂血症の治療の基準には、色々議論があります。直接動脈硬化を起こしてる原因がまだはっきりしてないからです。
方向としては、LDL−Cの値と動脈硬化の促進因子がどれだけあるかで治療方針を決めようとしてます。
<高脂血症診療ガイドライン>
カテゴリー薬物療法適応基準
冠動脈疾患(−)
他の危険因子(−)
LDL−C>160mg/dl
(TC>240mg/dl)
冠動脈疾患(−)
他の危険因子(+)
LDL−C>140mg/dl
(TC>220mg/dl)
冠動脈疾患(+)
他の危険因子(+)
LDL−C>120mg/dl
(TC>200mg/dl)

他の危険因子は、高血圧、糖尿病、喫煙など。
ひとつの数字で治療の適応を決めるのではなく、個々の人の動脈硬化の危険因子に応じて治療する方向 に向かってます。いわゆる、オダーメイドの治療です。

5.治療方法

1.食事療法
a.高コレステロール血症の食事療法
コレステロールの摂取を1日300mg以下にする。
1)コレステロールの多い食品,卵の黄身,レバー,魚卵,卵使ったお菓子など過剰摂取に気をつける。
2)脂肪の多い牛肉,豚肉を控えて,脂肪の少ない鶏肉,魚に切り替える。
3)食物繊維を摂る。
コレステロールの排泄を促進する作用がある。食物繊維には血糖降下作用、大腸癌予防効果がある。
4)抗酸化物の摂取。
抗酸化物には動脈硬化の予防効果がある。抗酸化物にはビタミンC、ビタミンE、βカロチン、フラボノイドなど がある。みかん類、野菜、紅茶、果物に多く含まれる。赤ワインにはフラボノイド(ポリフェノール)が含まれるが 動脈硬化の予防にいいからといって飲みすぎれば逆効果である。
5)多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸のリノール酸(大豆油、サフラワー油、ゴマ油など)総コレステロールを減らし、心臓病を 減らすといわれている。しかし、摂りすぎると総コレステロールを上昇させ逆効果となる。
食事療法の基本は、ひとつのものに偏った食生活ではなく、色々な種類の食べ物を摂ることである。
テレビで何々の食べ物が体にいいからといって、それだけを過剰に摂取すれば逆効果である。
b.高中性脂肪血症の食事療法
1)摂取エネルギーを減らして,肥満の解消をする。
2)アルコール制限。
1日アルコール30ml以内。
ビールなら大瓶1本,日本酒なら1合,ウイスキーならシングル3杯(60ccぐらい),ワインなら小グラス5,6杯(180ccぐらい)に相当する。
3)過剰な糖分摂取の制限。
糖分1日50g以下。
果物,甘いお菓子,清涼飲料水の過剰摂取に注意する。
4)EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含む食品を摂取する。
青魚に含まれる。

2.運動療法
運動はHDL-Cを上昇させ動脈硬化の予防になります。
また、肥満が原因でTG、TCが上昇してる場合は、運動することで減量し下がる可能性があります。
3.薬物療法
食事療法にて改善しない時は,薬を服用する必要があります。
1.スタチン系薬剤
メバロチン、リポバス、ローコール、リピトールなど。
主に、高コレステロール血症の治療に使われます。
2.クロフィブラート製剤
リポクリン、ベザトールSR、リパンチルなど。
主に、高中性脂肪血症の治療に使われます。
3.その他
ニコチン酸系(コレキサミンなど)、陰イオン交換樹脂(クエストランなど)、その他(ロレルコなど)

6.コレステロールを下げることにより副作用がでるか?。

一般にコレステロールが低い人(コレステロールを下げる薬を飲んでない人で)には、脳出血が多く、癌が多いと昔から言われてます。
コレステロールは、体に必要なもので低いと血管がもろくなり脳出血が増えます。また、癌がある場合 栄養状態が悪くなりコレステロールが下がります。
では、高コレステロール血症を治療すれば、脳出血、癌が増えるでしょうか?。
極端に下げすぎた場合はわかりませんが、正常に下げただけでは脳出血も癌も増えないというデータがでてます。

付録(食品中のコレステロールの量)

コレステロールを多く含む食品の例をあげます。ボタンをクリックして勉強して下さい。
コレステロールの摂取量は,300mg/日以下にするようにして下さい。
食品中のコレステロールの量
鶏レバー 豚レバー 牛レバー 鶏手羽肉 鶏もも肉 鶏むね肉
いか すじこ わかさぎ うなぎ たらこ ししゃも
あなご しゃこ うに きす たこ くるまえび
しらす干し ほたるいか どじょう あわび 塩から 鶏卵
卵黄 うずら卵 プロセスチーズ チェダーチーズ 生クリーム バター
牛脂 ラード カステラ ケーキドーナッツ


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