恵 比 須

えびす

 七福神の一人、恵比須は、大国(大黒…同音にして同意)と共に豊漁・豊年・豊作の信仰神としてまつられ、転じて商売繁盛の神としても信仰され、現在に至る。

 日本中で恵比須をまつっている神社は、約5500社あり、登録されていない祠などを含めれば、何万社になると思われる。ちなみに全国で一番多くまつられている神は、稲荷である。

 もともと、恵比須は、恵比寿、夷、胡、戎、蛭子、胡など同音同意の名称が多い。日本の神の特徴としては、このように同音異語の漢字を当てはめるが、一人の神を示しているので注意されたい。

 蛭子は、ヒルコともいい、水蛭子、蛭児とも書く。さて、ヒルコはイザナギ、イザナミが最初に生んだ神の子である。この子供は、手足はあるが骨無しで生まれた。三年得ても立てなかった。そのため、船に乗せて流した。諸説はさまざまあるが、流されたヒルコは竜宮にたどりつき、そこで大切に育てられた。そして海よりこの地に帰ってきた。

 戎、胡、夷の言葉には、エミシ(異邦人という意味)がなまってエビスになったといわれている。海から帰ってきたヒルコはエビシと呼ばれ、やがてエビスになったのである。

 海の神として復活した恵比須は、豊漁をもたらす神として崇められ、漁村の神社や岬の祠にまつられた。この恵比須は、山村に伝えられ、山の神、田の神としての性格を持つようになる。なぜに田の神と習合したのか。それは、恵比須の化身・使いが神狐であり、田の神の化身・使いも狐、このように化身・使徒・聖霊が同じ狐であることから次第に同神としてまつられた。恵比須はやがて稲荷へと名前を変えていった。

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