宇久島には私の姉の家族が住んでいる。以前ダンナ(以下M)と二人で遊びに行った
ことがあり、その時に見たきれいな海をもっと沢山の人に見てもらいたかった。
で、今回は私とM、そしてMの姉(以下Y)を巻き込んだ三人旅である。
まず、フェリーの切符を買いに埠頭へ行く。五島行きの窓口は2階にあり、重い
リュックを背負って階段を登った。すると、窓口には無情な張り紙が貼ってあった
のである。満席 の2文字が目に焼き付く。
そうです。フェリーの予約をしていなかったのです。私は。(ポカッ!)
頭の中が真っ白になり、口はあんぐり状態。とにかく、宇久島の姉に連絡しなければ
と公衆電話に急ぐ。今の状況では、翌日佐世保からのフェリーに乗るしかないので、
フェリーの時間を聞き、また明日連絡すると言って電話を切った。
さて、次は今夜どうするか、だ。今のうちに佐世保に移動して私の実家に泊るか。
そうすると、楽しみにしていた呑み会が流れてしまう。。。頭の中で酒と実家が
ルーレットのようにぐるぐる回っているところに、友人夫妻が快く自宅への宿泊を
提案してくれた。申し訳ないが、お願いする。やはり酒の誘惑には勝てない。
(ボカッ!)
翌日朝、佐世保に移動することにして、さて!とばかりに呑みにGO!
親不幸通りからちょっと入ったところにある「晴留屋(ハレルヤ)」
に到着したのは6時頃だったでしょうか。それから数時間、いかに私が無謀
で頼りない人間かという話題が延々と続くのであった。
「GWなのに宇久島行きフェリーの予約もしてなかったなんて!」
「でも何故か宇久島の観光協会に貸しテントの予約はしてるなんて!」
等々・・・
今後も語り続けられるであろうこのズッコケ話。名誉挽回の時は果してやってくる のだろうか。
みどり号自由席は博多駅ですでに満席になった。私たち、ズッコケ3人組(実際には
私だけがズッコケてた?)は、最初、皆の分の席が取れていたのだが、離れた
場所での意志の疎通に失敗し、結局二人席に三人で座ることになってしまった。
事の次第はこうである。
私とMは入口のすぐの二人席を確保し、前のほうにずんずん歩いて行ったYも席を
取ったようだった。かなり離れている。見ぶり手ぶりで以下の会話(推測もあり)が
交わされた。
私「ここに座るからね。離れてるけどいいよね。」
Y「そっちに私の席あるの?」(私の解釈:そこに座るのね?)
私「うん。うん。(うなずきながら)」
Yがリュックをかかえてこちらに歩いてきたが、席は取っていてリュックをこっちに
一緒に置くんだな、って思ってたら
Y「え?私の分も席があると思ってた (@_@)」
時すでに遅し。Yが最初に取っていた席には別の人間が腰を据えていたのである。
佐世保まで約2時間。交替で座ってもいいけど、詰めれば三人座れるんじゃない?
なんてやってみたら、これがなかなかいいカンジにしっくりする姿勢を発見。
結局その態勢のまま佐世保まで。
10時前に佐世保駅に到着した。佐世保駅はJRの駅の中で日本
最西端。早速、看板の前で記念写真を撮る。
また満席で乗れなかったら・・・不安を抱えながらフェリー乗り場に急ぐ。
宇久平港行きフェリーの乗船券を手にした時は、まさにほっと胸をなでおろす気持ち
でありました。
そうよ!旅はこれからよ!
乗船は整理番号順で我々は251〜253番。乗船した時には既に二等船室は満員。
デッキに出てマットを敷いて座った。リュックにもたれるように座ると結構快適。
海はべた凪だし。缶ビール飲んで一眠りしたところで宇久島の平港に到着した。
出迎えの人達の間に、義兄と甥(7歳)のニコニコ顔が見えた。
お昼ごはんに、前日義兄が釣ったというイカと黒鯛の刺身をご馳走になる。
おいしい!これでビールがあればもっと最高なんだけどな。(ドスッ!)
キャンプ場に着くと一つもテントがない。私たちの貸切り状態。観光協会から
借りてきた新品のテントを張る。4〜5人用で背の高いドーム状のテントである。
せっかくなので、持参のテント(2人用)も隣に設営した。さぁ、準備完了。
キャンプだ、釣りだ。
今日はイカ釣り。今日の夕食はイカ尽くし!のつもり!
場所は平港の防波堤。小さめの鰺をまるごと餌にして、じっと待つ。
じっと待つ。。
じっと待つ。。。
夕食は一応自炊。イカが釣れなかったので、ご飯と缶詰とソーセージとトマトの夕食。
後から姉一家が遊びにきて、イカの酢味噌和え、エビチリ、鳥肉とレバーの空揚げ、
そしてビールを差入れしてくれた。(ホロリ)
宇久島での最初の夜。まあるい真っ赤な月がやけに印象的だった。
ゆっくりと朝食を食べ終えた頃、義兄が迎えに来た。今日は磯釣り。
初めに行った場所は既に人がいっぱいで場所がない。次なるポイントに行ったら
数人の人が釣っていて、それなりに釣れているようだ。今日は釣るぞ!
・・・
欲深いと釣れないのかしら。それとも、私たちの中の誰かが厄病神?
なんだかさっきまで何度がアタリがきてたようなまわりの人たちも、反応が鈍く
なっているような気がする。
釣り始めてから1時間半程経過。釣り針は幾つ岩にひっかけたかしらん。
お義兄様、胸中お察しいたします。すいませーん。
今回も成果なし。釣りというものは案外奥が深いものである。
お昼は姉夫婦がバーベキューを企画してくれ、お肉やさざえやソーセージや
野菜をタラフク食べた。あぁ、何も釣れなくてもお腹いっぱい食べられる現代
社会に感謝。
食事の後、姉の子供たちが我々のテントの周りで遊んでいる。片付けを終えてから
合流すると、なぜかMは甥から「独身さん」と呼ばれていた。甥曰く
「だって、結婚してる人は独身さんでしょ?」
違うだろ。
そして、私は「ニセおっぱいさん」。何故かおっぱいの話になったので
「私のはにせものだよー」と言ったら、すかさず甥から「ニセおっぱいさん」と
呼ばれるようになった。(その場だけであったが)
甥「なんで、にせおっぱいなの?」
私「だってアタシ男だもーん」
甥「えー、うそだー」
私「嘘だよーん」
甥「やっぱり。実に女っぽい」
浜を散策しているうちに雨が降りだした。午後の釣りは無し、ということで、
姉の家でお風呂をいただくことになった。お風呂はとっても気持ちよかった。
キャンプなんだから汚くても平気よん!なんて豪語していたのは、どこの誰?
そのうち、雨が本格的に降り出し、結局そのまま夕食もご馳走になってしまった。
なんと軟弱なキャンパーであることよ。
さっき浜で取ってきた、ぼうふう、という砂浜に生えている植物を、姉がてんぷら
にしてくれた。ほんのり苦みがあり、おいしい!
ぼうふうは、地元の人しか取ってはいけないらしいので、良い子は真似しない
ように!
次は、島内一周。対馬瀬の灯台、三浦のソテツ(天然記念物)、城ヶ丘展望所、
平家盛公以下七代の墓など、宇久島の観光案内にある一連の名所を巡った。
生憎の雨ではあったが、ヤマタノオロチみたいな巨大なソテツに驚き、昔々に
宇久島に逃れてきた後五島列島一帯を支配することになる一族の墓で身震いし、
野性のキジやイタチの歓迎に歓喜の声を上げるなど、大いに楽しんだ。
一旦姉の家に寄る。そこで、甥の一言
「今日は何時に欠航なの?」
それをいうなら出航でしょ。
午後一時すぎ、名残惜しさいっぱいのままで、佐世保行きのフェリーに乗る。 船が揺れるのはわかっていたので、ビールを飲んでさっさと寝た。小値賀(おじか) 島に寄港した時も、夢うつつの中であったが、その後外海に出るとかなり揺れてき た。まわりから苦痛にあえぐような声が聞こえてくる。ここは地獄か。 うう、悪夢を見てしまいそうだ。
佐世保港に着く頃には天気はほぼ快晴。港には母が待っていた。 さらに実家では昨年秋に結婚したばかりの弟夫妻がにこにこと出迎えてくれた。
さあ佐世保ビール!その日呑めるビールは4種類。
焼肉をつつきながら、ヴァイツェンボック、ゴールデンエール、ペールエール、
パンサー(黒ビール)と制覇していった。どうだ、いしとばしパワーは。
だんだん、旅の理想と現実が近付いてきたかな?
行く先々でいろんな人に世話になりました。友人夫妻、晴留屋のおとーさん、
おかーさん、姉一家、母、弟夫妻。皆、またよろしくねん!
皆さんにとって私(たち)って、三日目の夜中に私たちを襲った風雨みたいなもの
だった?もしかして。