月経困難症
月経困難症とは、下腹部や腰などに強い痛みがあらわれ、仕事ができないなど、日常生活にさしつかえるような月経痛をいいます。とくに原因となる病気がない「機能性」の月経困難症は、思春期によくみられ、一般的にこうした痛みの症状は、結婚、妊娠、出産などを経て自然に軽快していくことが多いようです。これにたいして、子宮や卵巣になんらかの病気があり、これが原因でおこる「器質性」の月経困難症では、痛みが年ごとにつよくなるのが特徴的です。原因になる病気として多いのは、子宮内膜症や、子宮内膜症の一種で、子宮の筋肉層に子宮内膜ができる子宮腺筋症です。このほか、子宮筋腫や骨盤内の感染症などが原因となることもあります。
●「器質性」の月経困難症は、原因となる病気をまずみつけてその治療をおこないます。鎮痛剤をのんで一時的に症状をおさえても、原因となる病気を治療しなければ症状は年ごとに強くなっていきます。そのため、月経痛がしだいに強くなる場合は、早めに婦人科を受診しましょう。最近では、超音波でおなかの上から診察する方法や、おなかの触診、問診などですむこともありますから、恥ずかしがらずに受診しましょう。
●原因疾患として多い子宮内膜症や子宮腺筋症の治療は、場合によっては、手術が必要なこともありますが、閉経がちかかったり、症状があまりすすんでないときは、ホルモン療法をおこないます。ダナゾール(ボンゾール)、酢酸ブセレリン(スプレキュア)、酢酸ナファレリン(ナサニール)、などで、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌をおさえ、一時的に閉経状態にします。そのため月経痛が緩和されます。副作用としては、顔のほてり、肩こり、頭痛、などの更年期のような症状がみられることがあります。
●弱い長期薬物治療、とくに低用量ピルは、確定診断でも臨床診断でも長期に使える薬です。アメリカの子宮内膜症協会(略称EA/世界66カ国に2万5千人もの会員がいる)での統計では、薬物治療では低用量ピルが第一位で、74%もの女性が使っているそうです。長い病気ですから、複数回の手術を利用し、通常薬物治療も2回くらいは利用しながら、それらの間を低用量ピルの利用でまかなっているようです。
●骨盤内の感染症には、抗生物質を用います。また、炎症を抑え、痛みをやわらげる目的で消炎鎮痛剤が併用されることもあります。
(本よりの抜粋)
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