Paranoia No.3
2003
金管六重奏 2Trps,1Horn,2Trbs,1Tuba (4:14)
この第3番がパラノイア(妄想症)・シリーズの完結作です。テーマは「自殺」という非常に重いものです。実際にパラノイアが原因で自殺する人も多いと思い,作曲しました。自殺願望を抱くと,自殺を考えたときにそれまで抱えていた不安が消えるそうです。一種の麻薬のようなものですね(だからこそ,危険なのですが)。心に抱える不安と,自殺願望による一時的な安定との対比をこの曲で追及してみました。8分の6拍子で「タンタカタカ」というリズムがずっと続きますが,これが「不安」を表しています。では「安定」をどのように表現したか? トロンボーンのグリッサンドが後半に出てくるのですが,MIDIでは半音階で演奏しています。
青金10回目の演奏会で演奏予定。
よく聴くと分かると思いますが,モーツァルトのソナタがそれです。原曲とはかなり形を変えてますが,それは本当の心の安定ではないからです。中間部に一度だけ,テンポを極端に落として,ホルンのメロディーで現れますが,これも一時的なもの。未解決の和音のまま,不安定なファンファーレによってかき消されます。「自殺願望」そのものは,単調の和音で表現しました。後半,その和音が鳴り響く場面は,自殺を決意したことを示しています。そして,最後に自殺してしまうのです。
この曲を書いている間,ずっと気持ちが重かった。次は楽しい曲を書かなくては。みなさん,あまり自殺のことを本気で考えちゃいけませんよ。