八戸市立第三中学校の第7回ロボコントーナメントを見学して!



 1998年2月21日(土)に、八戸市立第三中学校の第7回ロボコントーナメントを見学しました。素晴らしい教育実践です。しかも、しっかりとした教育理念に支えられています。ぜひ機会があればすべての青森県の工業科の先生方に見て欲しいものです。
 私の文章では、とても伝えきれるものではないので、来賓としてお出でになった「自在研究所社長・東京工業大学名誉教授」の森政弘先生の講評要旨を以下に記載します。
 あくまでも私の個人的なメモなので文責は一切私にあります。


 

(森政弘先生講評要旨)

 今日は血圧計を付けて自分の血圧変化を測定している(専門は計測制御なので)、ロボコンで大きくアップした。
 皆さんの心がロボットに乗り移っている。ロボットに命を感じられる。この命は生物学的なものではなく、もっと広い意味での命である。万物に命があることを認めるのが「般若」である。
 物によって人間が育てられるのであり、ロボットが皆さんの先生である。大学でも中学校でも先生が教えてはいるが、実は生徒から学んでいるのであり、教えるということは学ぶことである。

 三中のロボットは、紙とプラバンと紐とホットボンドとラダーチェーンの織り成すマジックである。プロは頭が固くて皆さんのようなこういう発想はできない。(例外としてヤマハのピアノ工場は紐を上手く使っている。)
 この中から何人かが機械エンジニアになるかも知れないが、「遊び心」を忘れないで欲しい。「遊び心」は素晴らしいもので、国際的にも「ウィット」、「ユーモア」がどんな状況でも大切であり、人生の潤滑剤である。

 本来「遊び」は、「勝つため」とか「授業だから」といった義務感や名誉を超えて、内側から作りたくてウズウズしてくる力であり、やらされているのではない行為が「遊び」であり、主体性を持って自ら行うことを言うのである。東洋では「遊び」を最高と考え、尊敬語の最高として「遊ばす」がある。

 人間は生まれてきて、すべて「やらされて」いる事が多いが、そう思わないで自分から「やっている」ことが大切である。

 八戸に来ることを楽しみにして、カゼをひかないように人ごみに出ないようにしてきた。明日からは、安心してカゼをひける。


(参考)

1.「般若」とは?
 梵語の音訳で「智慧」と訳す。あらゆる物事の本来のあり方を理解し、真実の姿をつかむ知性のはたらき。最高の真理を認識する知恵。(小学館国語大辞典から)

2.「ロボットコンテストによる証し」
 「自己を習うというは、自己を忘るるなり」(道元)に基づいて提唱したロボットコンテストが、いくつかの中学校で技術科授業に採用され、教諭の熱意に支えられて、絶大な教育効果が実証されている。八戸市立第三中学校(下山大教諭)と呉市立広中央中学校(鈴木泰博教諭)は、その最先端である。
 ロボコンでわれを忘れさせることにより、たんに技術や創造性の教育にとどまらず、生涯を左右する全人格的な心の育成ができる。
  (一部省略:主に生徒の感想文抜粋:すばらしい文章ばかりです!)
 教育改革に、自信をもってロボコンを推奨する。ただし、教師の熱意と工夫が絶対条件ではある。(森政弘著「教育をどうする」岩波書店から)


 

戻る