生き物と触れ合う子どもたち
                                       
 
 「教頭先生、ほらメダカがいっぱいいるよ。」校門のところにある大きな池に子どもたちが群がり、手ですくっていた。どうやら、それは昨年近所のおばあちゃんが放してくださった大きな金魚が、産卵し孵化して誕生したものらしい。6年生の男の子がすくい上げた18ぴきを、1年1組の教室の空の水槽にプレゼントをした。金魚3びきをお墓にうめたばかりの1年1組の金魚係は大変喜んでいた。
 マリーゴールドやサルビアの花が咲き乱れる中庭には、ひよこ四羽が親チャボの後を追いかけて、小さな池に注がれる水をかわいい嘴ですくい上げて飲んでいる。その池の中には、昨年の5年生が近くの村の用水路からすくってきて放した地メダカが、10数匹泳いでいる。みんなの憩いの中庭である。 つい先日、PTA役員の方が学校にニホンザリガニ(いる場所については、保護のため誰にも教えられないのだそうである)を持って来てくださった。メス6ぴきの腹肢にはいずれも卵が20個ほどついていた。分けてもらった教室では、生き物係が、赤ちゃんの誕生を楽しみに大切に世話をしている。
 また、玄関を入ってすぐの中央階段脇の水槽では、ゲンジボタルとヘイケボタルを飼っている。子どもたちは、ホタルの幼虫とエサとなるカワニナの様子をときどき観察している。
 このように、子どもたちは日常的に小動物や魚、鳥たちの産卵、抱卵、孵化、成長に身をもって触れ合い、たまには「死」にも直面しながら、身の回りに生きる生命との感動体験をくり返しているわけである。
 本校では、でき得る限り自然について学ぶための教育環境も整え、かかわりあう機会を増やしてあげたいと考えている。子どもたちが、日常的に生き物と触れ合うことを通して、感性を磨き、心ゆたかなやさしい子に育つことを願っている。