「酒は百厄(薬)の長?」 −27−

 坂本 隆


第27回 本県の現状 〜大酒せず短命県返上を〜

 半年に渡った連載も最終回となりました。そこで青森県の現状について述べてみます。
 先日、平均寿命の発表がありましたが、本県は男女ともに最短寿命県という不名誉をちょうだいしました。貧困、寒冷地、多量の塩分摂取、医療体制の不備などが原因でしょうが、私はアルコール摂取の多さも無視できないと考えています。県民一人当たりの酒類消費量を計算してみたところ、本県は全国で第6位でした。1位は東京都、2位は大阪府という大都会であり、次に高知県、新潟県、秋田県、青森県と銘酒の生産県が続いています。
 平均1日当たりアルコール摂取量3単位(純アルコールで約60g)以上の多量飲酒者の割合も成人男性では全国平均4.1%なのに対して本県では13.2%と3倍以上に上ります。女性でも全国では0.3%なのに対して0.7%と2倍以上、という現状があります。アルコールの摂取が多いと、合併症も増えて早く亡くなり、平均寿命を引き下げるのは当然のことでしょう。
 連載第9回「適量とは」でも述べたように通常のアルコール代謝能を有する日本人においては「節度ある適度な飲酒」とは、平均1日アルコール摂取量1単位(純アルコールで約20g)以内であるとされています。
 ビールなら中ビン(500ml)1本、日本酒なら1合(180ml)に相当します。これを越えるとアルコールの効用よりも害の方がずっと大きくなるのです。
 飲酒運転や未成年の飲酒にも寛容な面も問題です。飲酒運転による交通事故や免職処分などの悲劇も後を絶たちませんが、そういう風土も一掃すべきでしょう。忘年会や新年会のシーズンですが、くれぐれも注意してください。
 アルコール依存症者の回復を目指す自助グループ(AAや断酒会)の組織化も本県は遅れ気味でしたが、最近は新しいグループも結成され、活動しています。アルコール依存症の方は断酒を続け、回復への道を歩み続けることを願って筆を置くことにします。

 「節度持ち 飲めれば苦労せぬものを」

 なお当連載のこれまでの内容は藤代健生病院のホームページでもご覧になれます。
 (http://www.infoaomori.ne.jp/fujisiro/sakamoto/sake_title.htm)

=終わり=






イラスト・成田 富子


(さかもと・たかし 藤代健生病院院長)
(「東奥日報」 2002.12.29 「家庭・暮らし」面「健康」欄に掲載)

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