たばこ問題Q&A 5(周囲の人の健康に影響)

 

 Q たばこの煙は吸っている本人より、周りの人への影響が大きいというのはなぜですか。

 A たばこの煙には本人が吸う主流煙、たばこの先から立ち上る副流煙、さらに吸った人の鼻の穴や口から吐き出される呼出煙があります。本人は主に主流煙を吸いますが、周りの人が吸うのは副流煙と呼出煙の混ざり合った煙です。

 主流煙は吸い込むときに空気を十分取り入れて燃えるので燃焼温度も850度以上と高く、完全燃焼します。またフィルターを通して吸うので、若干有害成分が減少します。副流煙は燃焼温度も650度と低く、有害成分の含有量も多く、ニコチン2.8倍、発がん物質のベンツピレンでは3.7倍、一酸化炭素で4.7倍、一酸化炭素で4.7倍、アンモニアではなんと47倍にも上ります。

 そのため、喫煙する家族や同僚がいることでたばこを吸わない人や禁煙していた人が病気になることもあるのです。スモーカーの夫だけでなく、妻ががんになって早死にすると「たばこを吸わなくてもがんになるのだから、吸っていた方が得だ」という言い方をする人がありますが、たばこを吸う本人より、有害な煙を吸わされ周りの人ががんになるのは煙の成分違いを知っていれば決して不思議なことではありません。

 またがんのなりやすさには個人差がありますから、自分よりがんになりやすい体質を持つかもしれない同僚や家族を煙にさらすことは、とてむ危険なことであることが分かります。公共施設で禁煙の場所が増えたことも、職場分煙が叫ばれるのも、このような事実が明らかになってきたことが背景になっています。

 「たばこは嗜好(しこう)品」ととらえられていましたが、現在ではたばこは中毒性の薬物とされ、嗜好品の領域をはるかに越えた毒物とされています。たばこの煙は環境たばこ煙(英語でenvilometal tobacco smoke)と呼ばれ、現在では好き嫌いの問題を越えた重大な環境汚染問題と考えられています。