分煙のすすめには(禁煙を助け優しい環境)
 

 だれもが苦情を言わずに安心して煙のないきれいな空気を吸えること、それが分煙の基本です。疎外感を感じる方もいるかもしれませんが、喫煙者も他人の煙は嫌いだし、分煙は禁煙を助けるので喫煙者にも優しい環境づくりと言えます。

 公共の場での禁煙が進んでも、職場での分煙はなかなか進みません。喫煙者を雇わない企業や私立学校は県内でもまだまだ少数派。たばこの煙の影響が十分知られていないからでしょうか、医療機関でさえ、職員がたばこの煙にまみれ、病院の療養環境をも悪化させている現状です。

 他人の煙を吸わされてがんや動脈硬化が起きたり、心臓や脳卒中の発作が誘発されたり、ぜんそくなどの重篤な呼吸器疾患や乳児の突然死を起こすことは知られていても、影響があるのはよほど長い間モクモク煙の中にいた人か、子供か、体の弱い人だろうと考えられています。煙を手で払ったりして、他人を直撃しないようにと喫煙者も配慮をしますが、実はほとんど意味がありません。

 空気清浄機も煙の粒子成分は取り除きますが、気相成分のニトロソミアン、青酸ガス、一酸化炭素、アンモニアなどの有害物質はフィルターを通過して循環しますので、気休めに近いのです。

 一本のたばこの煙から出る浮遊粉じんは15mg。この粉じんが室内の環境基準(1立方メートル当たり0.15mg)が満たすように拡散していくためには、10万リットルの空気が必要です。20リットルのドラム缶にして500個分、約24畳の広さが必要です。しかも、環境基準では認められない強い発がん物質も含まれています。

 ほとんどの人がたばこの煙によって不快な症状を持っていても、喫煙の申し出を断る人はごく少数です。尋ねて吸うマナーではなく、他のスペースとは完全に空気系統を別にし、気兼ねなく吸える喫煙室を用意し、他人と空気を共有する場では一切吸わないルールを作ると、お互いの命と健康を守るための分煙は成功します。