たばこがやめられない理由の多くはニコチン依存のためです。ニコチン依存症の治療にはニコチンガムという秘密兵器があります。
禁煙してニコチンが切れ、離脱症状がつらいときガムからニコチンを補給します。するとニコチンが切れたために起きるイライラなどのつらい症状を和らげることができます。ニコチンガムの中のニコチンは適量なので、イライラは楽にしてくれますが、たばこのようにいい気持ちになってやめられなくなるということが少ないと言われています。
ニコチンガムでニコチン切れのつらさが楽になったら、今度はガムそのものを減らしていき、ニコチンに支配されていた体をもとの体の戻していきます。これがニコチン置換療法です。
ニコチンガムはたばこをやめるために役には立ちますが、楽にたばこがやめられる万能薬ではありません。あくまで、習慣を変える努力や心の準備と一緒にやってこそ効果のある禁煙の補助的なものです。そして、ニコチンガムなしで禁煙できる人もたくさんいます。
ニコチンガムは要指示薬といって医師の処方がなくては手に入りません。また、ニコチンを摂取することによって重篤な副作用のある病気(脳卒中、虚血症心疾患、不整脈など)の患者さんや妊娠している女性には使えません。
さらには、健康保険がきかないので代金は自己負担になり、一錠の値段は百二十円と高価です。人によって一日の必要数はさまざまですが、一日の喫煙本数より少ないのが一般的です。一日に二〜三錠で間に合う人もいれば十三錠くらい必要な人もいます。百二十錠入り一箱は消費税込みで一万五千百二十九円です。一日二百五十円のタバコを一箱吸っている人で、二ケ月分のたばこ代とほぼ同じ値段ですから、成功すれば十分元が取れます。
近々ニコチンをを皮膚から吸収するニコチンパッチも発売される予定があります。どちらもたばこを吸いながらの使用は禁じられています。試してみたい方は、禁煙外来へぜひどうぞ。

(坂本による補足説明 :現在ではニコチンパッチも使用しています。1枚400円程度で、1日1回貼り替えるだけでニコチン補充効果が持続するものです。大:30cm2
→中:20cm2→小:10cm2 のように小さいものに変更していき、8週間でニコチンパッチから離脱するのが標準的な治療スケジュールとなっています。 2000.6.21)