2001年度の方針
(2001.5.24 藤代健生病院大会にて決定)
第1章 医療活動
今年度の最重点課題は21世紀にふさわしい医療活動の見直しを行うことです。とくに接遇の改善は、組合員様や地域のみな様から選ばれる精神科の病院であることを目指すために、医療生協・民医連の原点に立ちかえって根本的な見直しを行うことが必要です。
第二は痴呆病棟の運営を軌道に乗せることです。開設したばかりで混乱や困難を抱えていますが、全職員の英知を結集して乗り越えていきましょう。
第三は新たな住居ケアの開拓によって長期入院患者様の退院を促進し、ダイナミックな病棟運営を行う方針作りです。
厳しい医療情勢のもとで、医療と経営を守り、いっそう発展させていきます。
<21世紀にふさわしい医療活動の見直し>
常に組合員様や地域のみな様から選ばれる精神科の病院であることを目指し、日常の医療活動の点検と見直しを進め、とくに接遇の改善を強化します。
病院(ホスピタル)とホテル、ホスピスとは共通の語源を持つといわれますが、私たちが見習うべきはホテルの従業員の接遇でしょう。利用される方が安心感、安全感を抱いて満足していただけるよう、おもてなしの心を込めた対応が共通して必要となります。
ところが精神科の病院においては、長期入院の患者様も多く、治療者・患者関係に馴れが生じて、両者の関係の距離が近づき過ぎる傾向があります。親しみを込めた表現のつもりでも第三者からみると「ぞんざいな、横柄な」態度とみなされかねないことが生じます。
精神科の病院の長年の習慣として行われていることでも、外部から客観的にみると「乱暴な、患者の心を傷付ける、心無い」対応と見られるかも知れません。
とくに最近では、周囲の医療機関の接遇が改善しているために、従来と同じ対応をしているだけでは「親切で良い病院」という評価は過去のものとなります。
21世紀に入った現在、今までの接遇を全面的に見直し、新世紀にふさわしい接遇のあり方について、外部の組合員様なども含めた「接遇改善委員会」を設置して改善に努めます。原点に立ちかえって当院が地域の方々から再び「親切で良い病院」と言っていただけるようにしていきましょう。
<老人性痴呆疾患治療病棟の運営を軌道に乗せること>
定床60の病棟設置基準を満たす人員が配置されているだけでは、重度の痴呆患者様を多く抱えている病棟の運営は困難であり、実際にも入院が40人を超えた頃から病棟スタッフの疲労感、飽和感がかなり増加しています。
介護補助者のマンパワー確保のために、時差出勤を含めた勤務形態の工夫、ボランティアの活用なども進めます。
看護職と介護職との間で業務の効率的な分担と援助を行います。
そのために全職員の英知と力を結集しましょう。
痴呆疾患患者様の紹介、退院後の入所等のケアのためにも、他の病院、診療所、老人施設等との緊密な連携(痴呆ネットワークの構築)をはかっていきます。まずは痴呆患者様の処遇をめぐってのケースカンファレンスを大いに進めます。
<新たな住居ケアの開拓>
長期入院患者様の退院を促進し、ダイナミックな病棟運営を行うために、新たな住居ケアの開拓に向けた方針を作り上げます。
社会福祉法人と連携して「福祉ホームB型」の建設申請に向けて準備を行います。
<入院医療>
今年度も各病棟間でのベッド調整を軸に効率的な入院医療を進めます。とくに介護量のアンバランスを来さないように婦長室と医局を中心に引き続きベッド調整していきます。
痴呆の入院患者様が増加していることもあり、痴呆病棟における一般精神患者様の入院数の調整を行います。
<精神科救急医療>
今年度も救急医療の分野で県内の民間病院の模範となれるように、保護室・個室の確保に努めていきます。
<アルコール医療>
治療契約を明確にするために、外来および入院治療にあたっての文書に署名していただくこととします。
抗酒剤の使用については、インフォームド・コンセントの考えに立って副作用もきちんとお知らせして、適応を慎重に見定めることとし、原則使用という従来の「断酒三原則」の考え方は廃止します。
<外来医療>
予約外来の利点を生かせるように、待ち時間の短縮に努めます。
デイケアと外来の連携を強化します。
<デイケア>
70人ユニット体制にふさわしい患者数をめざし、デイケア適応の入院患者様がもれなく参加できるように、入院中からの意識的な働きかけを強めます。
社会福祉法人・花との連携を強化し、相互援助の中で、デイケア参加の増加を目指します。
<作業療法>
作業療法の内容について再検討し、医療整備を行います。
<情報処理システム>
医療情報システム委員会に院内LAN(イントラネット)などの院内情報処理システムの活用について諮問し、現在行われている紙、伝票等による情報伝達の見直しを含めて、あるべき情報システムのあり方について検討をしてもらい、院内情報の効率的な伝達、利用を促進していきます。
インターネットのホームページ更新は、院内の主な動きがすぐに反映されるように担当者を配置して行います。
<医療・福祉との連携>
社会福祉法人との連携を強め、定期協議の場を再開して日常的に意思疎通を計ります。 健生病院や他院所、施設、福祉事務所、保健所などとの連携をさらに強化します。
第2章 経営活動
2001年度は、法人の債務超過解消3ヶ年計画の最終年度にあたり、法人目標を達成させていくことにあります。今年度の税引き前利益目標を3,900万円とします。債務超過解消後の長期展望をもつために、当院の経営戦略を確立していく必要があります。今年度は「長計委員会」を立ち上げ、医療活動と経営活動が両立できるような長期戦略を練り、当院の「医療経営構造の転換」をすすめていきます。医療収入をはじめとした収入増をはかりつつ、備品購入の工夫や人員の適正配置や必要経費の見直しをすすめながら経費の削減をすすめていきます。
接遇を改善していきます。患者さんや家族の方への対応について、職員の対応について改善していけるようにしていきます。一人一人の意識改革と共に、接遇についての学習会の開催や、患者さんの呼び方については統一していくようにします。
当院は1976年に開設され25年が経ちました。津軽の地で地域精神医療の砦としての役割を果たしていくためには、2010年以降新築移転もしくは現在地での増改築など、新たな展開と投資が求められます。医療経営構造の転換を図りながら、きたるべく新たな展開時に対応できるよう経営改善を図っていくことが長期的に求められます。
1.収入
1)入院収入
11億7百万円、前年度実績対比1億9千4百万円増とします。
新設された痴呆病棟の2億3千4百万円が増収分になります。
2)外来収入
2億7千6百万円、前年度実績対比1,700万円増とします。
増収分は、DC3名増・一般(もの忘れ)1名増とします。具体的な根拠としては、@社会福祉法人「花」との話し合いをすすめていくこと、A入院患者さんのDCへの結集をすすめていくことで、DC件数を2000年度実績1日当たり3名の増を図り予算を達成していきます。
3)保健予防活動
施設や町会などの健診に対応する体制を強化し、2000年度実績を下回らないようにします。
2.支出
1)人件費
2000年度に比較して正職員9名増、一時金(薪炭手当含む)4ヶ月分で予算化しました。また、引当金に税金がかからないよう支給対象月を現行の4月〜9月、10月〜3月実績をそれぞれ1月〜6月、7月〜12月実績に変更します。このため賞与引き当て額が少なく計上されています。
2)経費
4病棟関係の燃料費や電気代、上下水道料金などで昨年度実績を上回る予算化しました。
病室の壁の修繕など現場との打ち合わせを密にしながらすすめていきます。また、病院周
辺の環境改善もあわせてすすめていきます。
第3章 社保活動
全日本民医連や青森県連の方針に結集して、全職員で積極的に取り組みます。
今年度は、1)消費税を3%に戻す運動、2)介護保険の緊急改善を求める運動、3)医療費の自己負担引き上げに反対する運動、4)国民健康保険証の未公布や資格証明書の発行を許さない、この4点に集約されます。院内社保委員会での討議と方針の確立をすすめながら署名運動をすすめ、県連や法人の社保委員会ですすめる「自治体交渉」などに、積極的に参加していきます。このことは、民医連職員としての成長という課題をすすめていくことにつながります。この課題は全職員が取り組むようにしますが、中でも中堅から若手職員の結集を図っていくようにしていきます。
民医連の魂である社保活動は、当院のみならず法人の21世紀を担っていく職員集団の形成につながります。全職員が社保活動に取り組み、民医連や医療生協の職員としての存在意義を見いだしていきましょう。
第4章 共同組織
1)体制
法人の事務体制や人事政策の中で、今年度の早い時期に組織担当者の配置をめざしていきます。
2)班会議
現在組織部員が班会議の日程・内容について組合員と相談して決め、院所では決められた内容に対して人を配置するというやり方をしています。痴呆患者さんに対する対応や痴呆にならないための手段についてなど、4病棟のスタッフのみならず、全職員がこのテーマで語れるようになることが重要です。
当院ならではのテーマを班会のメニューに入れ、職員が専門知識を活かしていけるよう組織部と連携してすすめていきます。
3)増資目標
1500万円とします。職員の積み立て増資目標を全国平均に近づけるようすすめます。また、一時金からの増資にも積極的に取り組みます。
4)組合員増やし
入外組合員利用率をそれぞれ、100%・80%を目標に取り組みます。恒常的な運動にしていくために、外来窓口での対応のあり方について医事課と相談しながらすすめていきます。
第5章 後継者対策
医療活動は全国的に注目されるレベルにきていますが、それを支える医師体制は引き続き厳しい状況にあります。今年度も医師を中心に対策をすすめていきます。
また、その他の職種では県連・法人の教育制度に参加していくと共に、民医連や医療生協運動を担っていけるよう、職員の成長を図っていくために院所としても努力していきます。
第6章 その他
1)各種委員会機能の強化
当院の長期的な展望を切り開いていくための「長計委員会」や、病院周辺の環境整備について、「環境整備委員会」(仮称)を設置して集中的に検討し整備をすすめていきます。その他必要と思われる委員会の設置や、既存の委員会については、あり方や諮問事項を検討し具体的に提起していきます。
2)建物などの整備
当院、1976年に建築され築25年が経過し、10年後には新たな展開が必要となることが予想されます。経営改善と共に既存の建物については計画的に改修・整備していきます。
3)駐車場の確保
現在スペースが少ないため、外来受診者が利用する駐車スペースが狭くなり不便をかけています。昨年度借用した水田を7月頃から駐車場として有効利用していきます。また、社会福祉法人「花」の職員のスペースについても検討し要請していきます。
4)職員定数
法人債務超過解消をなしとげていくこととあわせ、2002年度以降の職員定数について検討に入ります。
5)ボランティア
ハード・ソフト両面について稼働出来るようすすめます。
ソフト面については、盛岡医療生協での活動の特徴、「ひだまりの里」での経験に学べるよう、委員会で検討していきます。具体的にイメージできるよう早急に見学含め具体化していきます。
以上